東西交通大宮ルート

概要

東西交通大宮ルートは、埼玉県の主要エリアを東西に横断して結ぶ鉄道新線の整備構想。モノレールや新交通システム(AGT)、軽量軌道交通(LRT)、バス高速輸送システム(BRT)など中量輸送機関の導入が考えられている。

東西交通大宮ルートの路線図。当初構想されたルートのうち大宮~浦和美園間で整備に向けた検討が進められている。 【作成:運営部(K)/『カシミール3D 地理院地図+スーパー地形』を使用】

現在は大宮駅やさいたま新都心から東に進んで浦和美園(埼玉スタジアム2002)までの区間について、LRTで整備する方向で検討されているが、具体化の見通しは立っておらず開業時期も未定。国の試算よると、大宮~浦和美園間をLRTで整備した場合、総事業費は400億円、輸送密度は7800人とされている。

経緯

1980年代に構想が浮上。1998年に埼玉県は、運輸大臣の諮問機関である運輸政策審議会(運政審)で、所沢~大宮~吉川間48.9kmを結ぶ「大宮ルート」や川口~草加間8.9kmの「県南ルート」の整備を提案した。

2000年1月に運政審は東京圏の鉄道整備基本計画(運政審18号答申)を策定。埼玉県が提案した東西交通のうち、大宮ルートの大宮~さいたま新都心~埼玉スタジアム2002間を「今後整備について検討すべき路線」として盛り込んだ。

埼玉県やさいたま市は2000年度から検討を本格化させ、複数のルートと機種で比較検討を行ったが、いずれも採算性に課題があり、実現には建設費の大幅な削減と需要の創出が必要と結論づけられた。

その後、具体化に向けた動きはほとんどみられなかったが、国土交通大臣諮問機関の交通政策審議会(交政審)が運政審18号答申に代わる東京圏の都市鉄道構想の答申に向けて議論を始めたことから、さいたま市は交政審に提案するためモデルルートとなる4案の検討を行っている。

交政審は2016年4月に答申(交政審198号答申)し、東西交通大宮ルートの大宮~さいたま新都心~浦和美園間を盛り込みつつ、収支採算性に課題があるなどと指摘した。これを受けて埼玉県とさいたま市は調査を本格化させている。

データ

区間所沢~大宮~さいたま新都心~浦和美園~吉川
距離48.9km(大宮~浦和美園間は約12km)