開設28年『未来鉄道データベース』最古のファイル

『未来鉄道データベース』は1996年10月の開設から28年が過ぎました。来年2026年10月に30周年を迎える際には、何らかの記念企画を展開できればと考えています。

その検討過程で『未来鉄道データベース』を構成する過去のファイルを確認したところ、現存するファイルで最も古いのは1996年11月24日時点のファイルでした。

1996年11月24日時点の『未来鉄道データベース』トップページ。

当時は原則として運輸省鉄道局監修の年刊『鉄道要覧』に掲載されている未開業線を対象としていたため、基本的には鉄道事業免許か軌道特許を受けた未開業線しか掲載していませんでした。それでも相当数の路線を掲載しており、このころは全国各地で鉄道建設の「槌音」が響いていたことをうかがわせます。

当時のページを見ると大半は実現していますが、なかには相鉄いずみ野線の湘南台~平塚のように、いまだ実現していないものもあります。国際文化公園都市モノレール線(一部区間)に至っては、実現していないどころか軌道特許が廃止され、幻の鉄路と化してしまいました。

1996年11月24日時点の『未来鉄道データベース』地域別一覧のページ(一部)。

ちなみに、1996年11月のファイルでありながら、この数カ月前に軌道特許を受けていたスカイレールサービスの広島短距離交通瀬野線(スカイレールみどり坂線)は未掲載です。手元に残る記録上、スカイレールの新規掲載は1年後の1997年10月13日。おそらく『鉄道要覧』でスカイレールが掲載されるようになったのが1997年度版からで、1996年度版では未掲載だったためと思われます。

鉄道事業許可や軌道特許があった場合、いまなら国土交通省や事業者がプレスリリースをウェブサイトで即日公開しているでしょうが、1996年といえばインターネットの普及がようやく始まったころ。許認可の日付すら、関係官庁に電話などで問い合わせるか、年刊の『鉄道要覧』を確認するまでは分からない時代でした。

スカイレールは2024年に廃止されましたが、まさか1996年11月時点で未掲載の路線が『未来鉄道データベース』開設30周年を迎える前に廃止されるとは、思いもよりませんでした。

掲載対象を拡大した影響もありますが、28年前とは未開業線の「顔ぶれ」が大きく変わりました。ただ構想段階の鉄道プロジェクトが事業化されるペースは昔に比べかなり落ちており、今後「顔ぶれ」が大きく変わることはないのかもしれません。