アストラムラインの延伸は、広島高速交通が運営する広島新交通1号線(アストラムライン)を延伸する、広島市の計画・構想。3路線のうち広域公園前駅から延伸する新交通西風新都線が事業化に向け準備が進められている。
ルート
西風新都線は、アストラムラインの現在の終点駅である広域公園前駅からJR山陽本線の西広島駅まで整備。既開業区間も含め広島市の中心部と郊外を巡る環状型のネットワークを構築する。
広域公園前駅から南下して五月が丘団地内に五月が丘1駅と五月が丘2駅を設置。続いて石内東地区に入り、アウトレットモール「THE OUTLETS HIROSHIMA」の敷地内に石内東駅を設ける。ここから全長約1.7kmのトンネルで己斐峠を抜ける。
その先は都市計画道路己斐中央線に沿って進み、途中に己斐上駅と己斐中駅を設置。JR山陽本線の線路をまたぎ、同線の西広島駅の南東側駅前広場に終点の同名駅を設置して山陽本S年との連絡を図る。

機種は既設区間と同じゴムタイヤ走行・案内軌条式(AGT)の軽量軌道交通(LRT)を採用。一方で軌道は複線の既開業区間とは異なり単線で整備する。新設するすべての駅で上下の列車の行き違いができる構造にする。
運行計画
具体的な運行計画は未定。所要時間は広域公園前~西広島が約16分になる。五月が丘地区から西広島駅までの場合、路線バスの所要時間(ICカードの乗車記録から算出)は34分だが、西風新都線は13分の計画で21分の短縮になる。
事業方式
国と広島市が事業費を負担する。事業費は760億円の見込み。
開業時期
広島市は2036年度の開業を目指し環境影響評価や都市計画などの準備を進めている。従来は「令和一桁代後半」(2025~2028年ごろ)に広域公園前~石内東を部分開業し、「令和10年代初頭」(2029~2030年ごろ)の全線開業を目指していたが、コロナ禍で調査ができなくなるなどしたことから延期した。
データ
軌道事業者:広島高速交通
線名:西風新都線
区間・駅:広域公園前~五月が丘1~五月が丘2~石内東~己斐上~己斐中~西広島
距離:7.1km
種類:案内軌条式
動力:電気
軌間:側方案内軌条式
単複:単線
開業予定時期:2036年度