熱海モノレール:モノレール熱海~熱海港

熱海モノレールは、熱海駅から海上を通ってアタミロープウェイに連絡する計画だった跨座式モノレール。

概要

熱海モノレールのルート。【作成:未来鉄道データベース】

東海道新幹線の開業によって熱海の観光客が増加するとの見通しから、1962年4月17日に高野建設(現在の前田道路)系列の東邦観光開発が熱海駅~熱海港の地方鉄道免許を申請した。その1カ月後、日本高架電鉄(現在の東京モノレール)などが出資する熱海モノレールもほぼ同じルートの地方鉄道免許を申請して競願となる。

いずれも跨座式鉄道だが、東邦観光開発は東芝式モノレールで単線、熱海モノレールは日立アルウェーグ式で複線(単線並列)としていた。東邦観光開発の申請は輸送力不足や会社の資金力不足などの問題で却下。熱海モノレールの申請が1963年12月に免許された。

熱海モノレールの免許申請時の計画では、営業時間を9~22時として3両編成の列車を5分間隔で運行することになっていた。また、1965年6月に起業目論見書の記載事項を変更した際、起点のモノレール熱海駅を現在の熱海第一ビルの地下3階に設置することが決められている。

しかし、熱海駅側のトンネル建設による温泉源への異状などが懸念され、実質的には工事に着手できないまま推移。筆頭株主であった東京モノレールの開業後の経営不振も影響してか、建設計画は立ち消えになった。会社は1988年5月の臨時株主総会で解散が決議され、鉄道法規上も1989年2月に解散の認可を受けて解散した。

データ

事業者:熱海モノレール
区間・駅:モノレール熱海~銀座~公園前~熱海港
距離:1.9km
種別:地方鉄道
種類:跨座式鉄道
軌間:跨座式
動力:電気
単複:複線(単線並列)

手続き

1962年5月7日:地方鉄道免許申請
1963年12月21日:地方鉄道免許
1965年6月16日:起業目論見書変更(ルート変更等)
1989年2月23日:解散認可