宮城県富谷市の新たな都市交通システム:泉中央~明石台

宮城県富谷市の新たな都市交通システムは、仙台市営地下鉄南北線の北側の終点・泉中央駅と富谷市を結ぶ都市交通システムを整備する構想。富谷市は地下鉄の延伸も含め調査・検討を行っている。

ルート

ルートは確定していない。富谷市は泉中央駅から富谷市内の明石台、成田を経て大清水に至るルートを「都市主軸」と位置づけ、このうち泉中央~明石台に鉄道など一定の輸送力と定時性を確保した基幹公共交通軸を整備することを考えている。導入機種は地下鉄(仙台市営地下鉄南北線の延伸)に加え、バス高速輸送システム(BRT)やロープウェイも検討されている。

2022年度までの富谷市の調査によると、地下鉄を整備する場合は建設コストの縮減を図るため単線での整備を基本に検討している。

ルートは仙台市内の泉中央寄り区間で3案あり、主要地方道の仙台泉線を通るAルート、市道将監幹線6号線を通るBルート、将監幹線7号線を通るCルートを設定している。国道4号や要害川と交差した先で3案が合流。都市計画道路七北田西成田線を通って明石台ショッピングセンター付近に終点の明石台駅を設ける。

3案が合流する仙台市泉区明石南地区に中間駅を整備。Bルートの仙台市立将監小学校付近やCルートの仙台市将監市民センター付近にも中間(1)駅を設けることが考えられている。

富谷市が検討している新たな交通システム(地下鉄整備案)の調査ルート(緑=Aルート、赤=Bルート、青=Cルート)。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

運行計画

運行計画は未定。富谷市の2021年度までの調査では、朝8時台の運行本数は1時間あたり片側4本を前提に検討している。

事業方式

事業方式は未定。富谷市の2022年度までの調査によると、総事業費は354億~451億円。上下一体方式または民間資金活用方式(PFI)を採用した場合、354億円なら開業後21~26年、451億円の場合は開業後26~33年での黒字転換が可能としている。

開業時期

開業時期は未定で事業化のめども立っていない。富谷市による調査・検討は進んでいるが、導入機種も固まっていない状態で早期実現の可能性は低い。

データ

■富谷市2022年度事業化検討調査(地下鉄整備案)
区間・駅:泉中央~中間駅~明石台 ※BルートとCルートは泉中央~中間駅のあいだに中間(1)駅を整備
距離:約3km
種類:普通鉄道
動力:電気(直流1500V)
軌間:1067mm
単複:単線