東西交通大宮ルート:大宮~浦和美園など

東西交通大宮ルートは、さいたま市内の大宮駅周辺と浦和美園地区の結ぶ中量軌道の新線を整備するさいたま市の構想。大宮~浦和美園のアクセス向上を図る。

ルート

東西交通大宮ルートの検討ルート4案。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

導入機種やルートは複数案が比較検討されており確定していない。さいたま市によるこれまでの検討では、導入機種は路面電車方式の軽量軌道交通(LRT)やバス高速輸送システム(BRT)に絞られている。

さいたま市が2014年度にまとめたルート案は4案。既設の道路や都市計画道路、構想道路上にルートを設定した。

ルート1案は未開通の高速道路などを導入空間として活用し、距離を短くしたルート。ルート2案は第1産業道路や高速道路高架下を活用し、経由地を増やしたルートになる。ルート3案は高速道路高架下を活用。東側はルート1案とほぼ同じで、西側はルート2案とほぼ同じルートを採用している。ルート4案は既存道路活用案になる。

いずれも大宮駅・さいたま新都心・埼玉スタジアム・浦和美園駅を主要経由地としているが、起点はルート1案が大宮駅でルート2~4案がさいたま新都心、終点はルート1・3案が浦和美園駅でルート2・4案が埼玉スタジアムになる。

大宮駅では東口に連絡。さいたま新都心ではできるだけ長距離バスターミナルと接続するよう設定している。

このほか、埼玉県が1998年時点で東西交通大宮ルートの構想区間を所沢~吉川とし、さらに川口~草加を結ぶ東西交通県南ルートも構想していた。しかし2000年の運輸政策審議会答申第18号には大宮ルートの大宮~埼玉スタジアムのみ盛り込まれ、大宮ルートのそれ以外の区間と県南ルートは盛り込まれなかった。

運行計画

運行計画は未定。所要時間はルート1案が最短の28分30秒で、ルート2案が49分15秒、ルート3案が36分30分。ルート4案は最長の45分55秒としている。

事業方式

事業方式は未定。2014年度の検討結果によると、総事業費はルート1案で410億円、ルート2案で390億円、ルート3案で440億円、ルート4案で480億円としている。

開業時期

開業時期は未定で事業化のめども立っていない。2016年の交通政策審議会答申第198号ではルート1案を対象に盛り込んでいるが、収支採算性に課題があるとしている。さいたま市は同市の地域公共交通協議会に東西交通専門部会を設置して検討を進めている。

データ

※さいたま市『令和4年度 さいたま市地域公共交通協議会 第2回東西交通専門部会協議資料』(2023年1月20日)
※さいたま市『令和6年度 さいたま市地域公共交通協議会 第1回東西交通専門部会協議資料』(2025年2月3日)など

■ルート1案(高速道路活用)

区間:大宮駅~さいたま新都心~浦和美園駅~埼玉スタジアム(停留場13カ所)
距離:12.0km

■ルート2案(第2産業道路・高速道路高架下活用)

区間:さいたま新都心~大宮駅~浦和美園駅~埼玉スタジアム(停留場24カ所)
距離:16.5km

■ルート3案(高速道路高架下活用)

区間:さいたま新都心~大宮駅~埼玉スタジアム~浦和美園(停留場18カ所)
距離:13.7km

■ルート4案(既存道路活用)

区間:さいたま新都心~大宮駅~埼玉スタジアム~浦和美園(停留場21カ所)
距離:15.34km

関連計画