駅前大橋線は、広島駅の新しい駅ビル内に設ける停留場から稲荷町停留場を経由して比治山下停留場を結ぶ、広島電鉄の新線。所要時間の短縮に加え広島駅での乗り継ぎ利便性の向上などを図る。広島市が取り組んでいる広島駅南口広場再整備の一環。
ルート
広島駅南側の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」(2025年3月24日グランドオープン)の2階に新しい広島駅停留場を設置。ここから高架橋で駅前の交差点をまたいで南下する。駅前大橋を経て駅前大橋南詰交差点で道路の路面まで下り、ここから併用軌道で進む。
稲荷町交差点(稲荷町停留場)で既設の本線と交差。駅前大橋線(広島駅)と本線(紙屋町方面)を接続する軌道も整備する。比治山町交差点で皆実線の軌道に合流し、比治山下停留場に至る。
稲荷町交差点の前後に、稲荷町停留場の駅前大橋線用の乗り場を増設。稲荷町~比治山下にも松川町停留場を新設する。
運行計画
具体的な運行計画は未定。現在の広島駅停留場に乗り入れている1・2・5・6系統が、駅ビル内の新しい広島駅停留場への乗り入れに変わる。
これにより、本線・広島駅~的場町~稲荷町と皆実線の的場町~比治山下は既存の系統が運行されなくなる。このうち本線・広島駅~的場町は廃止に。存続する本線・的場町~稲荷町と皆実線・的場町~比治山下は、新設される循環系統(的場町~皆実町六丁目~市役所前~紙屋町~八丁堀~的場町)が運行される。
駅前大橋線開業後の所要時間は広島駅~稲荷町が2分30秒で、いまより4分ほど短縮。広島駅~比治山下も、現在の9分が半分の4分30秒に短縮される。また、広島駅停留場とJR改札口の距離も現在の140mが78mに短縮され、乗り換えに伴う移動時間も現在の2分24秒が1分10秒に短縮される。
事業方式
駅前大橋線の総事業費は軌道事業特許申請時点で109億円。このうち約83億円をインフラ部として国と自治体が負担する。約26億円はインフラ外部とし、国と自治体が6分の1ずつ負担。3分の2は事業者負担になる。
開業時期
2025年夏ごろに開業の予定。当初は2025年春の開業予定で、ミナモアのグランドオープン(2025年3月24日)と同時開業が見込まれていた。しかし作業工程の精査の結果、開業時期が数カ月延期される見通しに。循環系統の運行開始も遅れて2025年度内になる見込み。
データ
■軌道事業特許(2019年11月29日)
軌道事業者:広島電鉄
線名:駅前大橋線
区間・駅:広島駅(新)~稲荷町~松川町~※比治山町交差点(~比治山下)
距離:1.1km
種類:軌道
軌間:1435mm
動力:電気(直流600V)
単複:複線
開業予定時期:2025年夏
備考:比治山町交差点には停留場が設けられない