北九州空港アクセス鉄道は、周防灘の人工島に整備された北九州空港と北九州市の都心部を結ぶ新線。北九州市が構想している。
ルート
ルートは確定しておらず、これまでに「在来線新門司ルート」「在来線下曽根ルート」「高規格新門司ルート」の3案が比較検討されている。
在来線新門司ルートは、小倉駅から東に進んで空港島の北側から空港に入る新線を整備するもの。中間の新門司地区にも駅を設ける。
在来線下曽根ルートは日豊本線から分岐し、空港連絡橋に沿って空港島に入る新線を整備する。分岐点は下曽根駅に加え、行橋方面からのルートとして苅田駅も想定している。
高規格新門司ルートは、新幹線規格を整備するもので、ルートは在来線新門司ルートとほぼ同じ。
このほか、日豊本線の朽網~苅田(東九州自動車道の苅田北九州空港インターチェンジ付近)に特急列車も停車する新駅を整備し、新駅と北九州空港を結ぶシャトルバスとの接続を図る「空港口ルート」の提案もある。また、東九州新幹線を北九州空港経由で整備するアイデアも出ている。
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運行計画
運行計画は未定。在来線の2ルートはJR九州が運営する日豊本線や鹿児島本線からの直通列車、高規格新門司ルートはJR西日本の山陽新幹線やJR九州の九州新幹線からの直通列車の運行が考えられる。
これまでの検討結果によると、小倉~北九州空港の所要時間は在来線新門司ルートで12分、高規格新門司ルートで7分。空港口ルートは小倉~(日豊本線)~新駅~(バス)~北九州空港の乗り継ぎで20分になる。
事業方式
事業方式は未定。2007~2010年の調査によると、事業費は在来線新門司ルートが680億円、在来線下曽根ルートが657億円、高規格新門司ルートが1188億円。また、鉄道の経営が成り立つために必要な年間航空旅客数は、在来線新門司ルートで300万人、在来線下曽根ルートで420万人、高規格新門司ルートで810万人としている。
この調査が実施されたころの北九州空港の年間旅客数は120万人程度で、鉄道経営が成立する最少ラインの300万人を大幅に下回っていた。
開業時期
開業時期は未定で事業化のめども立っていない。北九州市も北九州空港の年間旅客数が200万人を超えたときに検討を再開するとし、2010年度を最後に検討を打ち切った。
コロナ禍前の2018年度には北九州空港の年間旅客数が178万人に達して200万人台が迫っていたことから、北九州市は検討再開の事前準備として関係者による勉強会を2020~2021年度に開催している。
データ
●在来線新門司ルート
区間:小倉~新門司~北九州空港
距離:16.3km
●在来線下曽根ルート
区間:下曽根~北九州空港
距離:10.6km
●高規格新門司ルート
区間:小倉~北九州空港
距離:15.6km