富士トラムは、富士山の山麓と5合目を結ぶ新線。富士山有料道路(富士スバルライン)を活用してゴムタイヤ式の交通システムを整備する。山梨県が従来の構想だった富士山登山鉄道の代替として構想している。
ルート
ルートは確定していない。従来の富士山登山鉄道の構想と同じ想定なら、東富士五湖道路・富士吉田インターチェンジの西側にある富士吉田IC西交差点付近を起点に富士スバルラインを登り、5合目まで整備することが考えられる。
路面に磁気マーカーや白線を整備し、これをゴムタイヤ車両が読み取ることで自動的に誘導する交通システムを導入することが考えられている。山梨県は通常のバス(道路交通法)では来訪者のコントロールができないとし、富士トラムを軌道法(路面電車や都市モノレールの法律)に基づく軌道として整備するとしている。
日本では、磁気マーカーでゴムタイヤ車両を誘導する交通システム「IMTS」をトヨタ自動車が開発。愛知万博(2005年)の会場内交通として導入された際は鉄道事業法が適用されているが、常設の公共交通での実例はない。海外では中国の鉄道車両メーカー「中国中車」が白線誘導方式の交通システム「ART」を開発。中国の一部の都市で導入されている。
運行計画
運行計画は未定。山梨県はゴムタイヤ車両の導入で一般道も走れるとして、リニア中央新幹線の山梨県駅に乗り入れることも想定している。
事業方式
事業方式は未定。
開業時期
開業時期は未定で事業化のめども立っていない。山梨県は今後、具体案の検討を進めるとみられる。
山梨県は従来、鉄レール上を鉄車輪の車両が走る路面電車方式・架線レスの軽量軌道交通(LRT)「富士山登山鉄道」を富士スバルラインに整備する方向で検討していた。しかし環境保全や安全性に問題があるとして地元の富士吉田市を中心に反対意見が多いことから、富士山登山鉄道の整備を断念。その代替として富士トラムを構想したという経緯がある。
データ
区間:富士吉田IC西交差点付近~富士山5合目
距離:約25~28km