洞海湾横断鉄道:若松~戸畑

洞海湾横断鉄道は北九州市の鉄道構想。洞海湾をくぐる海底トンネルを整備して鹿児島本線のバイパスルートを構築する。

ルート

ルートは確定していない。運輸政策研究所が2001年に示した調査結果などでは、筑豊本線(若松線)の終点・若松駅の手前から地下に入り、現在の若松駅付近に地下駅の新若松駅を設置。ここから海底トンネルで洞海湾をくぐり、鹿児島本線の戸畑駅に接続する。

また、若松線を電化し、鹿児島本線の戸畑~小倉は貨物線を活用する。これにより折尾~小倉のバイパスルートを構築する。

2001年の調査による洞海湾横断鉄道のルート(赤)。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

運行計画

運行計画は未定。現在の福北ゆたか線の列車のうち直方方面~小倉方面を結んでいる列車を洞海湾横断鉄道経由に変えることなどが考えられる。

事業方式

事業方式は未定。これまでの検討では第三セクター方式などを想定している。北九州市が2004年までにまとめた調査結果によると、事業費は旅客運送のみで約400億円、旅客・貨物の両方を運送する場合は約500億円としている。

開業時期

開業時期は未定で事業化のめども立っていない。

2004年度までの国や北九州市の調査では、事業採算性を確保できないとの結果が出ている。2005年度に国の新たな補助制度が創設されたのを受けて北九州市が再検討を実施したが、このときも採算性の確保が難しいとの結論だった。同市は2019年時点では事業環境が変化した場合に改めて検討するとの方針を示している。

北九州市は2016年に策定した総合交通戦略で洞海湾横断鉄道を検討路線として位置づけたが、2022年策定の総合交通戦略では新規鉄軌道路線の検討対象としては盛り込んでいない。

データ

区間:若松~戸畑
距離:約2km