京急久里浜線の延伸(2005年以前):三崎口~三崎

京急久里浜線の延伸は、京急電鉄が運営する久里浜線を三浦半島南端の三崎まで延伸する計画。鉄道法規上は2005年12月に廃止されたが、地元自治体の構想としては現在も残っている。

概要

京急久里浜線の未成区間のルート。【作成:未来鉄道データベース】

京急電鉄と合併した湘南電鉄が1923年に地方鉄道免許を取得した路線の一部。当時の湘南電鉄は三浦半島を一周する路線と三崎・鎌倉の各方面に伸びる支線の免許を取得したが、その後のルート変更や半島西側を通る区間の免許の失効などにより、最終的には浦賀に延びる本線と逗子に延びる逗子線、三崎方面に延びる久里浜線で構成される計画へと変貌した。

久里浜線は1966年7月に三浦海岸駅まで開業したが、京急電鉄は1970年に三崎地区中心部への乗り入れを中止。三崎の一つ手前の油壺までの工事施行認可を経て工事に着手した。1976年4月には三崎口駅まで開業したが、残る三崎口~油壺は用地取得が進まず事実上凍結状態に。2005年12月、京急電鉄は同区間の鉄道事業を廃止した。

京急電鉄は事業廃止の際、油壺への延伸を周辺開発計画と一体的に進めることや、三戸地区の農地造成工事が2007年度の完成を予定しており、本格的な開発はそれ以降となるなどとし、土地区画整理事業などの進展にあわせて鉄道事業許可を再び申請するとしていた。

しかし、その後も延伸に向けた動きはみられず、2016年3月に三崎口~油壺の延伸事業と沿線の土地区画整理事業などによる大規模宅地開発事業の凍結を決定した。神奈川県や地元の三浦市は現在も久里浜線の三崎口以南への延伸を構想しており、三浦市は京急電鉄への要望活動を行っている。

データ

※未成区間のみ
事業者:京浜急行電鉄
線名:久里浜線
区間・駅:三崎口~油壺~三崎
距離:5.7km
種別:第1種鉄道事業
種類:普通鉄道
軌間:1435mm
動力:電気(直流1500V)

手続き

※未成区間のみ
1923年8月27日:地方鉄道免許(湘南電気鉄道)
1925年12月27日:会社設立(湘南電気鉄道)
1941年11月1日:合併による名称変更(湘南電気鉄道→京浜電気鉄道)
1942年5月1日:合併による名称変更(京浜電気鉄道→東京急行電鉄)
1948年6月1日:分社による名称変更(東京急行電鉄→京浜急行電鉄)
1970年7月20日:地方鉄道免許廃止(油壺~三崎)
1970年11月9日:工事施行認可(三崎口~油壺)
1987年4月1日:※みなし第1種鉄道事業免許(三崎口~油壺)
2000年3月1日:※みなし第1種鉄道事業許可(三崎口~油壺)
2005年10月7日:第1種鉄道事業廃止届出(三崎口~油壺)
2005年12月6日:第1種鉄道事業廃止繰上届出(三崎口~油壺)
2005年12月24日:第1種鉄道事業廃止(三崎口~油壺)

関連計画