北海道石狩市の新たな軌道系交通は、札幌市と石狩市を結ぶ新線を整備する石狩市の構想。現在はロープウェイの導入が有力視されていることから「石狩ロープウェイ」とも呼ばれている。
ルート
ルートは確定していない。2023年度の導入可能性調査では、石狩市役所などがある石狩市の新港地区から札幌市郊外の鉄道駅に連絡する3案を設定。JR函館本線の手稲駅周辺に向かうAルート、札幌市営地下鉄南北線の終点・麻生駅周辺に延びるBルート、札幌市営地下鉄東豊線の終点・栄町駅や札幌飛行場(丘珠空港)の周辺まで整備するCルートを検討している。
この調査は都市型自走式ロープウェイの導入を前提に進められている。従来のロープウェイは地上施設側に動力装置を設置し、搬器(ゴンドラ)をぶら下げたロープを循環させる仕組みだが、自走式ロープウェイは搬器に動力を搭載して走行する。
日本では新興企業のZip Infrastructure(ジップ・インフラストラクチャー、福島県南相馬市)が「ZIPPER(ジッパー)」というブランド名で研究・開発を進めている。博覧会などでの期間限定運行も含め、営業運行の実績はない。
運行計画
運行計画は未定。導入可能性調査では、運転本数(運行間隔)はAルートを46本(約1分18秒)、Bルートを167本(約22秒)、Cルートを33本(約1分49秒)とし、片道運転時間はAルートを31分、Bルートを30分、Cルートを32分と設定している。
事業方式
事業方式は未定。導入可能性調査では、従来手法の設計施工分離発注と直営での運営、上下分離・第三セクターによる運営、民間資金の活用(PFI)などを検討対象としている。施設整備費の試算はBルートで約230億円とされている。
開業時期
事業化の可能性がやや高くなっているが、開業時期は未定。
札幌市と石狩市を結ぶ軌道系交通は、かつて普通鉄道の新線(石狩鉄道→札幌臨港鉄道)が事業化されたものの中止に。のちに臨海鉄道やモノレールなどの整備が検討されたものの、いずれも事業費がネックとなり実現していない。このため低コストで整備できる自走式ロープウェイの導入が浮上したという経緯がある。
データ
●共通
構想者:石狩市
線名:-
種類:索道
開業予定時期:-
●Aルート
区間:新港地区~手稲駅周辺
距離:12.816km
●Bルート
区間:新港地区~麻生駅周辺
距離:12.542km
●Cルート
区間:新港地区~栄町駅・丘珠空港周辺
距離:13.507km