都心直結線は、東京都交通局が運営する都営地下鉄1号線(都営浅草線)の押上~泉岳寺を短絡するバイパス新線の構想。「浅草線短絡新線」などとも呼ばれる。
現在の都営浅草線と同様、京成線・京急線との相互直通運転を行い、東京都心から成田国際空港(成田空港)と東京国際空港(羽田空港)へのアクセス改善を図る。あわせて成田~羽田の空港間アクセスの改善も図る。
ルート

ルートは決まっていない。大深度地下で押上駅から東京駅付近を経由し、泉岳寺駅に至る短絡ルートが考えられている。
国土交通省の2009年度の調査結果によると、東京駅付近に新東京駅を整備し、これ以外の中間駅は想定されていない。新東京駅の位置は東京駅西側の仲通り地下と丸ノ内線直下、東京駅西側の外堀通り直下の3案が検討され、仲通り案の便益が高いとされている。
運行計画
運行計画は未定。成田空港~新東京~羽田空港を直通する列車が運行されることが考えられる。
2009年度の調査結果によると、所要時間は東京駅~羽田空港で現行ルート(京浜東北線~東京モノレール)に比べ3分短縮の約22分、東京駅~成田空港(第2ビル)で現行ルート(JR特急「成田エクスプレス」)に比べ13分短縮の約37分、成田空港(第2ビル)~羽田空港で現行ルート(京成線~都営浅草線~京急線直通列車)に比べ48分短縮の約59分としている。
運行本数は現在の都営浅草線が1時間あたり最大24本のところ、信号設備や駅施設の改良により最大28本まで増やし、都営浅草線と都心直結線に振り分けることを全体に検討している。
ピーク時の本数は都心直結線で4・8・10本(一部列車が泉岳寺駅を通過する場合は10・14本)とし、この場合の都営浅草線の本数は4本ケースで現在の24本を維持できるが、10本ケースでは6本減便の18本になる。オフピーク時の1時間あたり本数は都営浅草線が現在と同じ12本を維持。都心直結線は6本とした。
事業方式
事業方式は未定。都市鉄道利便増進事業として受益活用型の上下分離方式により整備することが考えられている。交通政策審議会が2016年にまとめた分析結果によると、総事業費は4400億円。
開業時期
開業時期は未定で事業化のめども立っていない。都営浅草線の経営への影響が大きいことから東京都は整備に消極的な立場を採っている。2016年の交通政策審議会答申第198号では、事業計画を精査したうえで事業性の見極めが必要としている。
データ
※交通政策審議会『鉄道ネットワークのプロジェクトの検討結果』(2016年7月15日)など
区間:押上~新東京~泉岳寺
距離:約11km