メトロセブン・エイトライナーは、東京都区部の都心から約10km離れた地域を結ぶ環状線の構想。東側がメトロセブン、西側がエイトライナーで、一括して「区部周辺部環状公共交通」とも呼ばれる。都道318号環状7号線(環七)や都道311号環状8号線(環八)の沿線地域間相互の環状方向のアクセス向上を図る。
ルート

導入機種が複数検討されている状態で確定しておらず、ルートも詳細は決まっていない。沿線自治体で構成される協議会のこれまでの調査では、地下鉄系として「在来地下鉄」「低コスト断面標準地下鉄」「リニアメトロ」「スマート・リニアメトロ」を想定。さらに中量軌道系として「モノレール」「AGT」「LRT」のほか「BRT」も想定して調査を実施している。
メトロセブンは環七に沿って葛西臨海公園~赤羽に整備し、エイトライナーは環八に沿って赤羽~田園調布に整備することを想定している。エイトライナーはさらに羽田空港まで整備することも考えられていたが、現在は東急多摩川線(既設)~新空港線(計画)~京急空港線(既設)のルートに取って代わられている。
駅は地下鉄案の場合、おおむね1~2kmの間隔で設置。鉄道不便地域の解消や環状方向の需要が見込まれる位置を想定している。
運行計画
運行計画は未定。
事業方式
事業方式は未定。協議会の2020年度の調査では、概算事業費は地下鉄(スマート・リニアメトロ除く)が約1兆1000~1兆5000億円で、スマート・リニアメトロが約9000億円としている。中量軌道などの概算事業費は2021~2022年度の調査では、地上系のLRT・BRTが約1200~3000億円、高架系のモノレール・AGTが約1兆5000~1兆9000億円としている。
開業時期
開業時期は未定で事業化のめども立っていない。東京都の江戸川区・葛飾区・足立区・北区・板橋区・」練馬区・杉並区・世田谷区・大田区が実現に向け要望活動や調査を進めている。
沿線自治体の協議会が2024年7月に示した今後のスケジュール案によると、2025~2026年度に需要予測調査や収支採算性・費用便益比等の比較調査を実施。2027~2028年度は区間別・システム別の導入システム検討の深度化を図り、2029年度以降に事業計画案をまとめる考え。
データ
※エイトライナー促進協議会『第30回総会 活動報告』(2023年7月20日)
※エイトライナー促進協議会『令和5年度活動報告及び今後の進め方』(2024年7月30日)など
区間・駅(2020年度調査:地下鉄検討ルート):葛西臨海公園~南葛西~葛西~江戸川6丁目~一之江~西一之江~松本~東新小岩~奥戸~青砥~青戸七丁目~亀有~大谷田~六町~中央本町~西新井~江北陸橋~鹿浜~新田~志茂南~赤羽~北赤羽~志村三丁目~東武練馬東~平和台~練馬春日町~高松~練馬高野台~井荻~区部環清水~荻窪~高井戸北~高井戸~八幡山~千歳台~千歳船橋西~砧公園~瀬田~二子玉川~等々力~尾山台~田園調布
距離:約60km