大阪メトロ今里筋線の延伸は、大阪市や大阪府の構想。大阪メトロが運営する地下鉄8号線(今里筋線)を今里駅から南下して湯里六丁目や堺市美原区方面へ延伸し、放射状路線との連絡による環状方向の流動への対応や、大阪市東南部地域など鉄道利用が不便な地域への対応を図る。
ルート

ルートは大阪市が構想する今里~湯里六丁目と、大阪府が構想する湯里六丁目~美原方面に分かれる。
今里~湯里六丁目は詳細なルートが固まっていない。今里駅から今里筋に沿って南下。関西本線(大和路線)の東部市場前駅付近を経て、国道479号(長居公園通)とぶつかる湯里六丁目交差点付近に至る。湯里六丁目交差点付近では、住之江公園~喜連瓜破を結ぶ敷津長吉線(構想)と連絡する。大阪市鉄道ネットワーク審議会の2014年の答申では、既設の今里駅を除き6駅を新設するとしている。
湯里六丁目~美原方面のルートは未定。南下して堺市美原区内に至るルートが考えられる。
運行計画
運行計画は未定。大阪市鉄道ネットワーク審議会の2014年の答申では、今里~湯里六丁目の運行間隔を朝ラッシュ時4~5分、昼間時10分、夕ラッシュ時5分と設定している。ただしコスト削減策として需要に見合ったダイヤ設定を行った場合、朝ラッシュ時の運行間隔は5分としている。
事業方式
事業方式は未定。大阪市鉄道ネットワーク審議会の2014年の答申では、今里~湯里六丁目の整備について、公営(上下一体)や民営(建設主体=第三セクター、運営主体=民営化後の地下鉄新会社とする上下分離)が検討されている。総建設費は公営が1363億~1830億円、民営が1277億~1293億円と想定された。
開業時期
今里~湯里六丁目は開業時期が未定で事業化のめども立っていない。2004年の近畿地方交通審議会答申第8号で「中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」として盛り込まれた。大阪市は2006年度に着工する考えだったが、財政難のため凍結された。
大阪メトロは2019年4月1日から、バス高速輸送システム(BRT)「いまざとライナー」を地下鉄今里~JR長居駅前などで運行しており、事実上の代替交通になっている。BRTでは一般的なバス専用道やバス専用車線、バス車両優先システムは導入されていないが、停留所を少なくするなどして所要時間の短縮を図っている。
湯里六丁目~美原方面も開業時期は未定で事業化のめども立っていない。近畿地方交通審議会答申第8号の策定時に検討対象になったが、答申には盛り込まれなかった。
データ
■今里~湯里六丁目
※大阪市鉄道ネットワーク審議会『「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に位置づけられた未着手の地下鉄計画路線の整備のあり方について(答申)』(2014年8月28日)など
区間:今里~杭全~中野~湯里六丁目
距離:6.7km
■湯里六丁目~美原方面
区間:湯里六丁目~美原方面
距離:7.8km