那覇市LRTは、那覇市を中心とした地域に路面電車方式の軽量軌道交通(LRT)を整備する構想。那覇市が実現に向け検討している。
ルート

ルートは確定していない。那覇市が2024年3月までにまとめた整備計画素案は、「東西ルート本線」「東西ルート支線」「南北ルート」の3路線を設定している。軌道は基本的に道路の路面に敷設する併用軌道。東西ルート本線と南北ルートは複線、東西ルート支線は単線を想定している。
東西ルート本線は、沖縄県庁北口から沖縄県道222号真地泉崎線などに沿って南風原町にある県立南部医療センター付近までを結ぶ。東西ルート支線は沖縄県庁北口と若狭海浜公園を結ぶ路線で、沿線の松山公園地下に設ける車両基地への連絡ルートにもなる。南北ルートは真玉橋と新都心を結ぶ。東西ルート本線と南北ルートは寄宮交差点付近で交差。この交差点の周辺を真和志地域拠点として位置づける。
運行計画
運行計画は未定。整備計画素案では、所要時間は東西ルート本線を約19分、東西ルート支線を約8分、南北ルートを約17分としている。1時間あたりの運行本数は本線でピーク時(7~9時と17~19時)が10本(6分間隔)、オフピーク時(9~17時と19~22時)は6本(10分間隔)、早朝・深夜(6~7時と22~0時)は4本(15分)とした。支線は7~22時が3本(20分間隔)、早朝・深夜が2本(30分間隔)としている。
車両は3連節車体の超低床車両を導入。基本仕様案は宇都宮芳賀ライトレール線(ライトライン)で宇都宮ライトレールが運用しているHU300形電車に準じているが、軌間はライトラインが1067mmの狭軌なのに対し、那覇市LRTは1435mmの標準軌を想定している。
事業方式
事業方式は未定。整備計画素案では公設民営の上下分離方式を想定している。那覇市が軌道整備事業者として施設を整備、保有し、第三セクターなどの軌道運送事業者に施設を貸し付けて運行する。概算建設費は2021年度の試算で東西ルート本線・支線の合計が約320億円、これに南北ルートを加えた額は約480億円。
開業時期
開業時期は未定。那覇市は東西ルート本線・支線を先行整備する考えで、2026年度末までに整備計画を策定する方針。2040年度初頭には開業する可能性がある。
データ
※那覇市「LRT整備計画素案」(2024年3月28日)
●共通
軌間:1435mm
●東西ルート本線
区間:県庁北口~県立南部医療センター付近
距離:約5km
単複:複線
●東西ルート支線
区間:県庁北口~若狭海浜公園付近
距離:約1km
単複:単線
●南北ルート
区間:真玉橋付近~新都心
距離:約5km
単複:複線