都営大江戸線の延伸は、東京都交通局が運営する地下鉄12号線(都営大江戸線)の光が丘駅から北西方面に延伸する東京都や埼玉県などの構想。埼玉県寄りは大泉学園町~東所沢を整備区間とし、埼玉県南西部と東京都心部のアクセス利便性の向上を図る。
ルート

ルートは未定。東京都練馬区の大泉学園町駅から北西に進み、米軍大和田通信所付近を経て埼玉県所沢市にあるJR武蔵野線の東所沢駅に至るルートが考えられている。
沿線自治体の協議会が2019年にまとめた基礎調査では「基本ルート」「高架橋主体ルート」「全線地下ルート」「南側経由ルート」の4案を示している。4案とも大泉学園町駅と東所沢駅は地下駅を想定している。
基本ルートは米軍大和田通信所の北側を通り、埼玉県新座市の新座中学校付近に新座中央駅、東京都清瀬市の旭が丘団地付近に清瀬北部駅を設ける。新座中央駅は半地下構造で清瀬北部駅は地下駅。新座中央~清瀬北部と清瀬北部~東所沢の一部が高架橋で、それ以外は地下トンネルになる。
高架橋主体ルートは基本ルートに近い場所を通るが、大泉学園町駅付近と東所沢駅付近を除き高架橋で整備。清瀬北部駅は台田団地付近に整備する。全線地下ルートは可能な限り道路を導入空間として全線を地下トンネルで整備。新座中央駅と清瀬北部駅も地下駅になるが、各駅の位置は基本ルートとほぼ同じになる。
南側経由ルートはほかの3案と異なり、米軍大和田通信所の南側を通るルート。中間に新座市内駅と清瀬市内駅を設ける。大泉学園町駅付近と東所沢駅付近を除き高架橋で整備する想定。
運行計画
運行計画は未定。2019年の基礎調査では表定速度を40km/hとし、所要時間は基本ルート・高架橋主体ルートを13分、全線地下ルートを14分、南側経由ルートを12分としている。
事業方式
事業方式は未定。2019年の基礎調査によると、大泉学園町~東所沢に限った場合の概算事業費は基本ルートが1273億円、高架橋主体ルートが1142億円、全線地下ルートが1464億円、南側経由ルートが1121億円としている。国の交通政策審議会が2016年にまとめた分析結果では、光が丘~東所沢を一体整備した場合の概算事業費が2300億円。
途中で東京都内と埼玉県内を出たり入ったりするルートになるため、事業主体をどうするかが大きな課題になっている。2019年の基礎調査では、光が丘以遠の延伸全区間を東京都交通局が整備して運営する案から、鉄道・運輸機構が整備して東京都交通局が運営する上下分離案。さらに光が丘~大泉学園町は東京都交通局が整備、運営して大泉学園町~東所沢は第三セクターや埼玉県などが整備、運営する案など7ケースを想定している。
開業時期
開業時期は未定で事業化のめども立っていない。現在は東京都の練馬区と清瀬市、埼玉県の新座市と所沢市などで構成される都市高速鉄道12号線延伸促進協議会が要望活動を行っている。
データ
※交通政策審議会『鉄道ネットワークのプロジェクトの検討結果』(2016年7月15日)
※都市高速鉄道12号線延伸促進協議会『都市高速鉄道12号線延伸に向けた基礎調査』(2019年3月)など
■基本ルート
区間・駅:大泉学園町~新座中央~清瀬北部~東所沢
距離:約8.6km
■高架橋主体ルート
区間・駅:大泉学園町~新座中央~清瀬北部~東所沢
距離:約8.7km
■全線地下ルート
区間・駅:大泉学園町~新座中央~清瀬北部~東所沢
距離:約9.2km
■南側経由ルート
区間・駅:大泉学園町~新座市内~清瀬市内~東所沢
距離:約8.1km