北海道新幹線の延伸:新函館北斗~札幌

北海道新幹線は、本州の青森市から北海道南部の北斗市(函館市付近)と北海道中央部の札幌市を経て旭川市に至る新幹線鉄道の建設線。

津軽海峡の青函トンネルを含む新青森~新函館北斗が2016年に開業しており、現在は新函館北斗~札幌の区間が工事中。

ルート

延伸区間は在来線の函館本線(倶知安経由)にほぼ並行し、5駅を設ける。長万部・倶知安・札幌の3駅は在来線併設駅。札幌駅は現在の在来線ホームがある場所を通り抜けて東側にホームを設ける。新八雲・新小樽の2駅は在来線から離れた独立駅。

北海道新幹線のルート(黒:既開業、赤:未開業)。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

運行計画

運行計画は未定。東北新幹線「はやぶさ」の運行区間を東京~札幌に拡大する形で列車を運行することが考えられる。

新函館北斗~札幌の最短所要時間は現在の在来線特急「北斗」で3時間17分。北海道新幹線の開業後は最高速度260km/hの場合で2時間以上短い1時間13分になる。東北新幹線への直通を含む東京~札幌でも2時間40分ほど短い5時間1分。

JR北海道は自己負担で北海道新幹線の最高速度を320km/hに引き上げることを計画しており、さらに360km/hに引き上げることも将来構想として考えている。320km/hの場合、東京~札幌の所要時間は4時間半程度になるとみられる。

事業方式

整備新幹線の財源スキームに基づく。鉄道・運輸機構が建設主体として建設し、JR北海道が営業主体として受益の範囲内で線路使用料を払って列車を運行する。建設財源は線路使用料などの収入を充当するほか、残りの費用は国が3分2、沿線自治体が3分の1をそれぞれ負担する。

新函館北斗~札幌の工事予算は2023年3月31日の工事実施計画変更認可時点で約2兆3159億円。工事が難航しており、建設費がさらに膨らむ可能性が高い。

開業時期

現行計画上では2030年度末の完成、2031年春の開業予定。現在工事中で実現は確実といえるが、開業時期は大幅に遅れる可能性が高い。

巨大岩塊の出現によってシールドマシンが停止(羊蹄トンネル)するなど各工区で工事が難航しており、開業は2030年代後半にずれ込む可能性が高くなっている。

データ

■基本計画決定(1972年6月29日)
■整備計画決定(1973年11月13日)
■工事実施計画認可(2012年6月29日)
営業主体:北海道旅客鉄道(JR北海道)
建設主体:鉄道建設・運輸施設支援機構(鉄道・運輸機構)
線名:北海道新幹線
区間・駅:新函館北斗~新八雲~長万部~倶知安~新小樽~札幌
距離:211.8km
種類:普通鉄道
動力:電気(交流2万50000V/50Hz)
軌間:1435mm
単複:複線
開業予定時期:2030年度末(2031年春) ※大幅に遅れる見込み