なにわ筋線は、大阪市中心部を南北に縦断して新大阪・梅田・中之島・難波・新今宮の各地区を結ぶ鉄道路線を整備する事業。関西国際空港(関西空港)へのアクセス改善を図る。
新大阪~大阪(うめきた)は既設の東海道本線貨物支線(梅田貨物線)を移設・地下化する連続立体交差事業により整備済みで、大阪(うめきた)~JR難波・新今宮が新線として工事中。
ルート

大阪駅北側の再開発エリア(うめきた2期)に設けられた大阪駅の地下ホーム(うめきたエリア)を起点とし、なにわ筋に沿って南下。西本町駅の先で二手に分かれてなにわ筋から離れ、JR関西本線(大和路線)のJR難波駅と南海本線の新今宮駅に接続する。中間駅として中之島・西本町・南海新難波の3駅を設ける。
中之島駅は京阪中之島線の同名駅と連絡。西本町駅は中央大通・大阪メトロ中央線との交差部の南側に設けられるが中央線側には駅がなく、新駅を整備してなにわ筋線との連絡を図る計画もない。
全線複線で大半が地下トンネル。駅部は開削工法、駅間はシールド工法を採用し、シールド工法の区間は複線トンネル1本か単線トンネル2本になる。高架駅の新今宮駅付近は堀割・盛土と高架になる。
中之島駅は単式ホーム1面1線を上下二つに分けて配置する。西本町駅は島式ホーム1面2線を採用。南海新難波駅は単式ホーム1面1線を東西二つに分けて整備する。
運行計画
詳細な運行計画は決まっていないが、JR西日本と南海電鉄が列車を運行する。大阪(うめきた)~西本町はJRと南海の列車が線路を共用。西本町~JR難波のJRルートはJRの列車、西本町~新今宮の南海ルートは南海電鉄の列車が運行される。設計上の最高速度は110km/h。
新大阪~関西空港の最短所要時間は、JRが従来より2分短い49分。南海は50分で従来より10分短縮されるのに加え乗り換えが解消される。大阪(梅田)~関西空港はJRが20分短縮の44分、南海が9分短縮の45分になる。
事業方式
償還型上下分離方式を採用。第三セクターの関西高速鉄道が整備主体として整備し、完成後も同社が第3種鉄道事業者として線路施設を保有する。JR西日本と南海電鉄は第2種鉄道事業者として関西高速鉄道から線路施設を借り入れ、列車を運行する。
総事業費は約3300億円。地下高速鉄道整備事業として国と地方公共公団が事業費の7割を負担する。
開業時期
2031年春の開業が予定されている。2019年7月の鉄道事業許可と2020年2月の工事施行認可を経て工事に着手した。
データ
■関西高速鉄道(大阪~JR難波・新今宮)
◆第3種鉄道事業許可(2019年7月10日)
◆工事施行認可(2020年2月28日)
第3種鉄道事業者:関西高速鉄道
線名:なにわ筋線
区間・駅(1):大阪~中之島~西本町
距離(1):2.7km
区間・駅(2):西本町~JR難波
距離(2):1.2km
区間・駅(3):西本町~南海新難波~新今宮
距離(3):3.3km
種類:普通鉄道
動力:電気(直流1500V)
軌間:1067mm
単複:複線
開業予定時期:2031年春
■JR西日本(大阪~JR難波)
◆第2種鉄道事業許可(2019年7月10日)
第2種鉄道事業者:西日本旅客鉄道(JR西日本)
線名:なにわ筋線
区間・駅:大阪~中之島~西本町~JR難波
距離:3.9km
■南海電鉄(大阪~新今宮)
◆第2種鉄道事業許可(2019年7月10日)
第2種鉄道事業者:南海電気鉄道(南海電鉄)
線名:なにわ筋線
区間・駅:大阪~中之島~西本町~南海新難波~新今宮
距離:6.0km