相鉄いずみ野線の延伸は、相鉄が運営するいずみ野線の湘南台駅から寒川町倉見地区へ延伸する神奈川県などの構想。神奈川県央部と横浜市中心部や都心部とのアクセス向上を図る。
ルート

ルートは未定。湘南台駅から藤沢市内の秋葉台公園付近と慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)付近を経て倉見地区に至るルートが考えられている。
秋葉台公園の東側付近に「A駅」、SFC付近に「B駅」を設ける。倉見地区の駅は、JR相模線とJR東海道新幹線の交差地点近くに整備することが考えられており、近くには相模線の倉見駅がある。このエリアは相模川対岸の平塚市大神地区を含め都市開発「ツインシティ」が構想されており、東海道新幹線にも新駅を設ける構想がある。
神奈川県などは湘南台~B駅を第1期区間として先行整備し、B駅~倉見を第2期区間に位置づけている。神奈川県・藤沢市・慶應義塾大学・相鉄の4者で構成された検討会が2012年にまとめた検討結果では、第1期区間の整備について鉄道(単線)と軽量軌道交通(LRT・立体型)の2案を比較検討。鉄道案を選定している。
鉄道案の場合、湘南台駅からA駅まで地下トンネルを通り、A駅の先は高架橋で整備。B駅の先に車両基地を設ける。全線単線でA・B駅とも島式ホーム1面2線を整備。上下列車の行き違いを可能にする。
運行計画
運行計画は未定。4者の検討結果(第1期区間の単線鉄道案)の場合、1編成10両(定員1400人)の列車の運行を想定する。表定速度は約40km/hで所要時間は5分。運行本数はピーク1時間あたり5本、オフピーク1時間あたりでは3本とし、ピーク1時間の輸送力を7000人。1日の利用者数は約2万5800人と推計している。
事業方式
事業方式は未定。4者の検討結果(第1期区間の単線鉄道案)では概算建設費を約436億円とし、都市鉄道利便増進事業の適用を想定している。
この場合、公的主体(鉄道整備主体)が整備して相鉄が列車を運行する上下分離方式を採用。国と地方自治体が建設資金を3分の1ずつ補助し、残りの3分の1は鉄道整備主体が借入などで調達する。開業後は相鉄が運行に伴う受益相当額を線路使用料として鉄道整備主体に支払う。
開業時期
第1期区間・第2期区間ともに開業時期は未定で事業化のめども立っていない。4者の検討結果では、無利子資金の調達や運行経費の圧縮を講じることで事業採算性を確保できるとしている。
データ
※いずみ野線延伸の実現に向けた検討会『いずみ野線延伸の実現に向けた検討会とりまとめ』(2012年6月11日)など
■第1期区間
区間・駅:湘南台~A駅~B駅
距離:約3.3km
■第2期区間
区間:B駅~倉見
距離:約5km