奥羽新幹線は、福島市から山形市付近を経由して秋田市に至る新幹線鉄道の建設線。東北地方の内陸部の地方都市を結ぶ。
ルート・駅
ルートは確定していない。福島駅で東北新幹線から分岐し、在来線の奥羽本線に沿うルートで秋田市内に入り、羽越新幹線に接続するルートになるとみられる。
事業方式
営業主体や建設主体は未定。整備新幹線と同じ方式を採用する場合、鉄道・運輸機構が建設し、完成後はJR東日本が運営することになるとみられる。
費用
事業費は確定していない。羽越新幹線・奥羽新幹線の関係6県プロジェクトチームの調査結果によると、奥羽新幹線の事業費は複線・効果構造で1兆9100億円、単線・盛土構造で1兆4500億~1兆5100億円と算定している。
効果
関係6県プロジェクトチームの調査結果によると、所要時間は東京~秋田が2時23分で、いまより1時14分の短縮。東京~山形は1時間40分で、いまより46分短くなる。
費用便益比(B/C)は最小値が0.47(複線・高架整備で社会的割引率4%)、最大値は1.08(単線・盛土整備などで社会的割引率3%)。羽越新幹線と奥羽新幹線の両方を整備する場合は最小値が0.53(複線・高架整備で社会的割引率4%)、最大値が1.13(単線・盛土整備などで社会的割引率3%)と試算している。
実現の可能性
実現の可能性は低い。2012年ごろから羽越新幹線と奥羽新幹線の関係6県(青森県・秋田県・山形県・福島県・新潟県・富山県)が一体となって建設を求める動きを強めている。2017年度には関係6県の合同プロジェクトチームが発足。2021年に費用対効果や整備手法などの調査結果を取りまとめている。
奥羽本線の福島~山形~新庄は「山形新幹線」としてミニ新幹線化が図られ、1992年から1999年にかけ開業した。軌間を1435mmの標準軌に改軌し、在来線の寸法にあわせた車両で東北新幹線からの直通運転を行っている。奥羽本線の大曲~秋田も田沢湖線の盛岡~大曲と一体で「秋田新幹線」としてミニ新幹線化が図られており、東北新幹線からの直通運転を実施している。両線とも在来線改良の位置づけで整備されており、全国新幹線鉄道整備法に基づく暫定整備計画により整備された新幹線鉄道直通線ではない。
山形新幹線の福島・山形県境部では山形新幹線の所要時間短縮や冬季の安定輸送化を図るため、長大トンネル(米沢トンネル)を建設する構想が浮上している。
データ
■基本計画決定(1973年11月15日)
営業主体:-
建設主体:-
線名:奥羽新幹線
区間・駅:(福島市~山形市付近~秋田市)
距離:約270km ※国土交通省鉄道局監修『数字でみる鉄道』(2017年版以前)による
種類:-
動力:-
軌間:-
単複:-
開業予定時期:-