四国新幹線:大阪~大分

四国新幹線は、大阪市から徳島市付近や高松市付近、松山市付近を経由して大分市に至る新幹線鉄道の建設線。鳴門海峡や豊予海峡などを橋かトンネルで横断し、大阪と四国の瀬戸内海側、九州の各都市を結ぶ。

ルート・駅

ルートは確定していない。新大阪駅から明石海峡か紀淡海峡を渡って淡路島に入り、さらに鳴門海峡を渡って四国内へ。高徳線や予讃線に並行して西へ進み、大分市内で東九州新幹線や九州横断新幹線に接続するルートになるとみられる。

四国新幹線の推定されるルート。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

鳴門海峡に架かる大鳴門橋は上下2層構造の道路・鉄道併用橋になっており、上層の道路は1986年に開通。下層は新幹線を複線(同時に1列車のみ運行できる単線載荷)で建設できるスペースが確保されている。

明石海峡に架かる明石海峡大橋(1998年開通)も、当初は新幹線の併設が可能な道路・鉄道併用橋として計画されたが、建設費削減のため道路単独橋で建設された。このため四国新幹線は明石海峡か紀淡海峡を海底トンネルで通り抜けることが考えられている。

事業方式

営業主体や建設主体は未定。整備新幹線と同じ方式を採用する場合、鉄道・運輸機構が建設し、完成後はJR四国が運営することになるとみられる。

ただし、大鳴門橋の鉄道資産は日本高速道路保有・債務返済機構(高速道路機構)が現在保有しており、建設主体が鉄道・運輸機構以外になる可能性もある。また、海峡部の営業主体は大阪市~徳島市付近がJR西日本、松山市付近~大分市付近がJR九州になる可能性がある。

費用

四国新幹線整備促進期成会が公表している2014年度の基礎調査の結果によると、車両費を含む全線整備の事業費は4兆200億円。四国新幹線の一部区間(四国内の徳島市付近~松山市付近)と四国横断新幹線の全線を建設する暫定的な整備の場合は合計で1兆5700億円としている。

効果

2014年度の基礎調査によると、新大阪駅からの所要時間は徳島駅まで40分(2時間13分短縮)、高松駅まで1時間1分(43分短縮)、松山駅まで1時間38分(1時間52分短縮)。山陽新幹線と岡山、四国横断新幹線を経由する場合は、徳島駅まで1時間35分(1時間18分短縮)、高松駅まで1時間15分(29分短縮)になる。

費用便益比(B/C)は全線整備で0.31。四国新幹線の徳島市付近~松山市付近と四国横断新幹線の全線を整備する暫定整備では1.03としている。

実現の可能性

実現の可能性は低い。ただし基本計画が決定している新幹線鉄道の建設線のなかでは四国横断新幹線とともに沿線の各県と市町村による建設運動がとくに活発。四国新幹線整備促進期成会などが要望活動に加え具体的な整備手法や事業費の調査・検討を行っている。

沿線関係者は建設費を抑えるため、四国新幹線と四国横断新幹線を一体的、かつ部分的に整備する案を打ち出している。四国新幹線は、新たに橋かトンネルを建設する必要がある海峡部を除いた四国内の徳島市付近~松山市付近のみ建設。完成済みの瀬戸大橋を通ることになる四国横断新幹線は全線建設して四国新幹線との接続を図る。これにより、岡山経由で本州と四国4県を結ぶ新幹線ネットワークの構築を目指す。

データ

■基本計画決定(1973年11月15日)
営業主体:-
建設主体:-
線名:四国新幹線
区間・駅:(大阪市~徳島市付近~高松市付近~松山市付近~大分市)
距離:約480km ※国土交通省鉄道局監修『数字でみる鉄道』(2017年版以前)による
種類:-
動力:-
軌間:-
単複:-
開業予定時期:-