羽田空港アクセス線は、東京都心から羽田空港に乗り入れる鉄道を整備するJR東日本の構想・計画。
東京都心から既設線の改良や短絡線の整備によって東京貨物ターミナル駅付近に乗り入れる「東山手ルート」「西山手ルート」「臨海部ルート」の3ルートと、東京貨物ターミナル駅付近~羽田空港を結ぶ「アクセス新線」で構成される。
このうち臨海部ルートは、東京臨海高速鉄道りんかい線の車両基地回送線をほぼそのまま活用し、東京臨海副都心方面と羽田空港を結ぶ。
ルート
東京テレポート駅から西(大崎方面)へりんかい線の海底トンネルをしばらく走り、品川埠頭の地下で分岐する車両基地回送線のトンネルに入る。ここから南下して大井埠頭で地上に出て、東京貨物ターミナルと東京臨海高速鉄道の車両基地「東臨運輸区」の付近で東山手ルート+アクセス新線の線路に接続する。
車両基地回送線のトンネルは分岐点寄りの約900mが複線で、それ以外は単線。ただしトンネル自体は複線分(単線トンネル2本)が整備済みで、使用していないほうのトンネルは発泡スチロールを充塡(じゅうてん)して閉鎖している。
運行計画
具体的な運行計画は未定。少なくともりんかい線の新木場駅から羽田空港まで直通列車が運行されるとみられ、京葉線の西船橋方面や蘇我方面からの直通も考えられている。運行本数にもよるが、当初は複線化せず運行するとみられる。新木場~羽田空港の所要時間は約20分とされている。
事業方式
JR東日本が想定している事業方式や事業費は不明。現在の施設保有者を基準にした場合、東京臨海高速鉄道が臨海部ルートの第1種鉄道事業者として運営し、JR羽田空港アクセス線~りんかい線の相互直通運転を行うことが考えられる。
京葉線~りんかい線~羽田空港アクセス線の直通運転を行う場合、JR線でりんかい線を挟む形になるため、りんかい線の運賃をどう収受するかが課題になる。羽田空港新駅で東山手ルートと臨海部ルートの改札を分離するか、JR東日本がりんかい線を買収するなどの方策が考えられる。
開業時期
JR東日本は東山手ルート+アクセス新線と臨海部ルートの同時開業(2031年度)を目指している。同社は2025年3月期第2四半期の決算説明(2024年10月31日)で、同時開業に向け関係者と協議・調整を行っていることを明らかにした。
データ
●臨海部ルート
■JR東日本グループ経営ビジョン「変革2027」(2018年7月3日)
■2025年3月期第2四半期 決算説明資料(2024年10月31日)
構想者:東日本旅客鉄道(JR東日本) ※施設管理者は東京臨海高速鉄道
線名:りんかい線(車両基地回送線)
区間・駅:東京テレポート~(東京貨物ターミナル駅付近)
距離:約6km
種類:普通鉄道
動力:電気(直流1500V)
軌間:1067mm
単複:-
開業予定時期:2031年度
備考:車両基地回送線の旅客化