中央新幹線は、東京都から甲府市付近、名古屋市付近、奈良市付近を経て大阪市に至る新幹線鉄道の建設線。従来の新幹線と異なり、最高速度500km/hレベルの超電導磁気浮上式のリニアモーターカーを採用する。現在は東京都内の品川駅から名古屋駅までの区間が工事中で、名古屋駅から大阪市までの区間は未着工。
ルート・駅
ルートは確定していない。現在の構想では、名古屋駅から三重県北部、奈良県北部を経て大阪市内に入る。駅は工事中の名古屋駅を除き、三重県駅と奈良市付近駅、新大阪駅の3駅を整備することが考えられている。
三重県駅は亀山市が誘致運動を展開している。三重県は候補地としてJR関西本線・井田川駅付近と亀山インターチェンジ付近、JR紀勢本線・下庄駅付近の3カ所をJR東海に提示した。
奈良市付近駅も、奈良県が候補地として3カ所をJR東海に提示。JR関西本線(大和路線)・平城山駅付近と大和路線・奈良~郡山で計画されている新駅付近、大和路線・郡山~大和小泉と近鉄橿原線・近鉄郡山~筒井の交差部を挙げている。平城山駅と新駅は奈良市内で、交差部は大和郡山市内になる。
終点の新大阪駅は、JRの東海道新幹線や山陽新幹線、東海道本線が乗り入れる既設同名駅への併設が考えられている。
事業方式
JR東海が建設して完成後もJR東海が運営する。建設に際しては財政投融資の活用が考えられている。
費用
建設費は2014年10月17日の工事実施計画認可時点で東京都~大阪市が9兆300億円とされていた。ここから品川~名古屋の建設費(5兆5235億5000万円)を差し引くと、名古屋~新大阪の建設費は3兆5064億5000万円になる。ただし品川~名古屋の建設費は2023年時点で約1兆5000億増の約7兆円となっていることから、名古屋~新大阪も増額になる可能性がある。
効果
品川~新大阪の所要時間は東海道新幹線「のぞみ」で約2時間20分。リニア中央新幹線は同区間を1時間7分で結び、現在の「のぞみ」より1時間10分ほど短縮される。品川~名古屋の開業時と同様、東京~大阪が2本の高速鉄道で結ばれることによりリダンダンシーの強化が図られる。
実現の可能性
JR東海は品川~名古屋に続いて名古屋~新大阪の工事に着工する考えで、2045年の開業が予定されている。ただし財政投融資の活用により最大8年間前倒しすることも考えられている。この場合は最短で2037年ごろの開業が見込まれる。
実現の可能性は高いが、品川~名古屋の開業が大幅に遅れる見通しになったことから、名古屋~新大阪の開業も遅れる可能性が高い。
データ
■基本計画決定(1973年11月15日)
■整備計画決定(2011年5月23日)
営業主体:東海旅客鉄道(JR東海)
建設主体:東海旅客鉄道(JR東海)
線名:中央新幹線
区間・駅:名古屋~三重県~奈良市付近~新大阪
距離:約152km
種類:超電導磁気浮上式鉄道
動力:電気(交流3万3000V)
軌間:-
単複:-
開業予定時期:2037~2045年