概要
実質的には大阪市営地下鉄4号線(中央線)を延伸するもので、北港テクノポート地区へのアクセス鉄道として整備される。
1989年5月31日の運輸政策審議会答申第10号で、新交通システムの南港ポートタウン線(ニュートラム)を延伸して中央線大阪港駅に至る南港テクノポート線が2005年までに整備すべき路線、南港テクノポート線の海浜緑地駅(現・コスモスクエア駅)から分岐して北港北地区へ至る北港テクノポート線が2005年までに整備に着手すべき路線、さらに北港北地区から此花方面へ向かうルートが今後整備を検討すべき方向と位置づけられた。
これを受けて大阪市の第三セクター「株式会社大阪港トランスポートシステム(OTS)」が新交通システムの事業主体となり、1988年12月5日に同社が中ふ頭~コスモスクエア~大阪港間の第一種鉄道事業免許、軌道事業特許を取得して事業に着手する。その後、新交通システムでは輸送力不足になるとして、整備区間のうちコスモスクエア~大阪港間を第三軌条集電方式の普通鉄道規格に変更して中央線との相互直通運転を行うことになり、1997年12月18日に開業した。
しかし、事業者の分かれたことによって運賃が割高となり輸送量が低迷したため、2005年7月1日からは大阪市の中央線とニュートラムに編入されている(鉄道事業区間は大阪市交通局が第二種鉄道事業、OTSが第三種鉄道事業、軌道事業区間は大阪市交通局に譲渡)。
北港テクノポート線も、当時大阪市が招致運動を行っていた2008年夏季オリンピックの観客輸送に対応するため、第三軌条集電方式の普通鉄道規格で整備して中央線との直通化を図る方針に変更。2000年10月にOTSが新桜島~コスモスクエア間の第一種鉄道事業許可を取得して事業に着手した。しかし、オリンピックの招致に失敗したことが影響して実質的には工事が進んでおらず、現在は道路との併用部となる夢洲~コスモスクエア間の沈埋トンネル部とその前後のみ土木工事が行われている。計画によると、開業時には6両編成の列車を投入し、ラッシュ時には4分間隔で運転する。
なお、新桜島からさらに梅田まで延伸する構想もあるが、2004年10月8日に策定された近畿地方交通審議会答申第8号には盛り込まれなかった。
データ(北港テクノポート線の鉄道事業許可区間)
事業者 | 大阪港トランスポートシステム |
線名 | 北港テクノポート線 |
区間・駅 | コスモスクエア~夢洲~舞洲~新桜島 |
距離 | 7.5km |
種別 | 第1種鉄道事業 |
種類 | 普通鉄道 |
軌間 | 1435mm |
動力 | 電気(直流750V) ※第三軌条集電方式 |
単線・複線 | 複線 |
開業予定時期 | ※未定 |
進ちょく状況(北港テクノポート線の鉄道事業許可区間)
2000年10月11日 | 第1種鉄道事業許可 |
2001年12月1日 | 工事施行認可(一次) |
2001年7月27日 | 工事施行認可(二次) |