北陸新幹線の延伸(金沢~敦賀~新大阪)

北陸新幹線は、東京都から長野市付近、富山市付近を経由して大阪市に至る新幹線鉄道の建設線。金沢~新大阪間の約268kmが未開業の延伸区間になる。北陸新幹線の営業主体は妙高高原駅を境に高崎寄りがJR東日本、金沢寄りがJR西日本に分かれており、現在の未開業区間の営業主体は全区間がJR西日本。

東京都から高崎駅までは上越新幹線と線路を共用。高崎~金沢間345.5kmは2015年3月14日までに開業した。未開業区間は日本海沿いの石川県から福井県にかけての金沢~敦賀間で、2023年度末(2024年春)の開業に向け工事中。福井県から関西方面の敦賀~新大阪間は、環境影響評価など着工に向けた準備が進められているが、着工のめどは立っていない。

敦賀開業時は東京~福井間や東京~敦賀間を直通する列車と、大阪・名古屋方面の在来線特急との接続を図る富山~敦賀間の列車がおもに運転されるとみられる。

所要時間の見込みは、金沢~敦賀間がいまより約30分短い43分。東京~福井間は約20分短縮の2時間53分、大阪~金沢間(在来線特急と北陸新幹線の乗り継ぎ)が約25分短縮の2時間4分、富山~福井間が約25分短縮の1時間12分とされている。

車両は北陸新幹線の既開業区間で使われているE7系(JR東日本)とW7系(JR西日本)を増備して使用する。

敦賀開業時の並行在来線は、北陸本線・金沢~敦賀間がJR西日本から経営分離され第三セクター鉄道に変わる。石川県内の区間は、IRいしかわ鉄道(北陸新幹線の金沢開業時に北陸本線の富山・石川県境(倶利伽羅)~金沢間の経営を引き継いだ第三セクター)が引き継ぐ見込み。2019年には福井県内の区間を引き継ぐ第三セクターの準備会社(福井県並行在来線準備)が設立された。同社は2022年7月頃、開業時の社名となる「ハピラインふくい」に改称する予定。

計画(金沢~敦賀)

■概要

営業主体:西日本旅客鉄道
建設主体:鉄道建設・運輸施設整備支援機構
線名:北陸新幹線
区間・駅:金沢~小松~加賀温泉~芦原温泉~福井~越前たけふ~敦賀
距離:125.1km
走行方式:粘着駆動による電車方式
最高設計速度:260km/h
軌間:1435mm
動力:電気(交流2万5000V/60Hz)
単線・複線:複線
開業予定時期:2023年度末

■経緯

1972年6月29日|基本計画決定
1973年11月13日|整備計画決定
※営業:日本国有鉄道
※建設:日本鉄道建設公団
1985年12月25日|金沢~小松、工事実施計画認可申請
1987年4月1日|西日本旅客鉄道が営業主体の指名を受けたとみなされる
1987年4月1日|日本鉄道建設公団が建設主体の指名を受けたとみなされる
1996年3月28日|小松~越前たけふ、工事実施計画認可申請
2003年10月1日|鉄道建設・運輸施設整備支援機構が建設主体の指名を受けたとみなされる
2005年4月20日|福井駅部、工事実施計画認可申請(追加申請)
2005年4月27日|福井駅部、工事実施計画認可
2005年12月12日|越前たけふ~敦賀、工事実施計画認可申請
2012年6月12日|金沢~敦賀、工事実施計画認可申請(追加申請)
2012年6月29日|金沢~敦賀、工事実施計画認可
2012年8月19日|金沢~敦賀、着工

計画(敦賀~新大阪)

■概要

営業主体:西日本旅客鉄道
建設主体:鉄道建設・運輸施設整備支援機構
線名:北陸新幹線
区間・駅:敦賀~※小浜線・東小浜駅付近~京都~※片町線・松井山手駅付近~新大阪
距離:約143km
走行方式:粘着駆動による電車方式
最高設計速度:260km/h

■経緯

1972年6月29日|基本計画決定
1973年11月13日|整備計画決定
※営業:日本国有鉄道
※建設:日本鉄道建設公団
1987年4月1日|西日本旅客鉄道が営業主体の指名を受けたとみなされる
1987年4月1日|日本鉄道建設公団が建設主体の指名を受けたとみなされる
2003年10月1日|鉄道建設・運輸施設整備支援機構が建設主体の指名を受けたとみなされる

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