概要
千葉みなと~千葉~県庁前間が開業している千葉都市モノレール1号線を星久喜方面へ延長するもの。
千葉県は千葉市近郊に点在する住宅団地と市中心部を結ぶ軌道系公共交通機関を整備することを構想し、1977年5月に千葉都市モノレール対策協議会を設置してルートの検討を実施。国鉄千葉駅周辺のデパートが千葉駅を中心とした放射路線の整備を要望したのに対し、旧市街地の商店は環状路線の整備を要望した。
同年9月には路線案が答申され、これを受けて県は放射路線と環状路線を組み合わせた約40kmに及ぶマスタープランを発表。このうち第1期区間として中央港~国鉄千葉駅~県庁前~星久喜間と千葉駅~千城台間の2路線を建設することを決め、1979年3月に千葉県や千葉市などが出資する第三セクターの千葉都市モノレール株式会社が設立された。
千葉都市モノレールは1981年3月5日に1号線千葉みなと~県庁前間と2号線千葉~千城台間の軌道事業特許を取得。このうち2号線は1988年3月28日にスポーツセンター~千城台間、1991年6月12日に千葉~スポーツセンター間が順次開業している。一方、1号線は千葉みなと~千葉間が1989年1月14日に工事施行認可を受けて1995年8月1日に開業したものの、千葉~県庁前間はその先の星久喜方面への延伸ルートが決まらなかったため事業の着手が遅れた。
特許を取得した時点では大和橋付近に県庁前駅を設置し、県庁前以遠は千葉大学の用地を一部取得して星久喜方面へ延伸することが考えられていたが、これに千葉大学が反対したため、千葉~県庁前間の工事も着手できない状態が続いた。
千葉大学との交渉が難航したことから、千葉県は1990年7月に当初ルートによる整備を断念。翌1991年11月29日には千葉~葭川公園間の工事施行認可を受けたが、葭川公園以遠は末広街道長洲交差点付近に県庁前駅を設置するルートに変更されることになり、1993年2月に軌道事業特許の起業目論見を変更。翌3月に葭川公園~県庁前間の工事施行認可を受けて事業に着手し、1999年3月24日に千葉~県庁前間が開業した。
これと並行して県庁前以遠のルートの再検討も行われ、千葉県が設置した千葉都市モノレール路線計画検討委員会は、県庁前から末広街道、千葉急行電鉄(現・京成電鉄千原線)千葉寺駅、青葉の森公園を経て星久喜に至るルートを提案。1997年11月にこのルートが正式に決定し、2000年2月に県庁前~中央博物館・市立病院前間の軌道事業特許、2001年3~5月に工事施行認可を受けた。
しかしこの間、千葉都市モノレールは開業区間の大幅な赤字で経営が悪化し、1号線の延伸事業も事実上の凍結状態に陥っている。このため、千葉市は収支改善の観点から県庁前以遠を千葉大学南側ルートに変更することを考えるようになり、旧ルートによる軌道事業特許は2009年8月7日に廃止された。
なお、新ルートは2008年度の軌道事業特許取得、2009年度着工、2013年度完成を目指していたが、2009年6月の市長選挙で1号線延伸計画の見直しを掲げた候補者が当選したこともあり、延伸計画は事実上凍結された。また、2000年1月に策定された運輸政策審議会答申第18号では、中央博物館・市立病院前~星久喜ターミナル間1.7kmが2015年までに整備に着手することが適当な路線として盛り込まれている。
データ
事業者 | 千葉都市モノレール |
線名 | 1号線 ※延伸 |
区間・駅 | 県庁前~末広~千葉寺~青葉の森公園~中央博物館・市立病院前 |
距離 | 3.4km |
種別 | 軌道事業 |
種類 | 懸垂式モノレール |
軌間 | 懸垂式 |
電化方式 | 直流1500V |
単線・複線 |
手続き年表
2000/01/25 | 軌道事業特許答申(運輸審議会) |
2000/02/04 | 軌道事業特許 |
2001/03/22 | 工事施行認可(一次) |
2001/05/14 | 工事施行認可(二次) |
2008/08/07 | 軌道事業廃止許可、同実施 |