上越新幹線の新宿乗り入れ

概要

東京都と新潟市を結ぶ新幹線鉄道の建設線。すでに大宮~新潟間が開業しており、東京~大宮間は東北新幹線に乗り入れる形で運転されているが、当初の計画では上越新幹線は新宿起点とされ、現在も新宿~大宮間が未開業の扱いになっているといわれている。

上越新幹線は1971年1月、全国新幹線鉄道整備法に基づき建設する初の新幹線鉄道として、東北新幹線(東京都~盛岡市)とともに東京都~新潟市間の基本計画が決定。同年4月には整備計画も決定され、運輸大臣は日本国有鉄道(国鉄)に対し東北新幹線の建設を、また日本鉄道建設公団(鉄道公団)に対し上越新幹線の建設をそれぞれ指示した。

これに伴い国鉄と鉄道公団は工事実施計画の作成に着手。東北新幹線は東京駅に、上越新幹線は新宿駅にそれぞれ東京ターミナルを設置し、大宮駅で両新幹線を接続させることが考えられた。しかし、開業から当分の間は両新幹線で線路を共用しても容量が足りると予測されたことから、大宮以南はとりあえず東北新幹線のみ建設することになり、1971年10月12日に国鉄が東北新幹線東京~盛岡間、鉄道公団が上越新幹線大宮~新潟間の工事実施計画認可をそれぞれ申請。2日後の10月14日に認可された。

このとき認可された東北新幹線の工事実施計画によると、東京駅から秋葉原駅付近まで高架(東北本線の線路敷地を転用)、秋葉原駅付近から上野公園を経て田端駅付近までが地下トンネル、田端駅付近から赤羽駅付近まで東北本線に並行する高架をそれぞれ建設し、現在の上野駅は計画されていなかった。また、赤羽駅付近から大宮駅までは、東北本線から西側に2~3km離れたところを通る別線ルートとし、このうち赤羽駅付近から荒川を渡って埼玉県戸田市本町(現在の戸田公園駅付近)までは高架、戸田市本町から大宮操車場(現在のさいたま新都心)付近までは全長約10kmの地下トンネル、大宮操車場から大宮駅までは高架で整備することが考えられていた。

一方、上越新幹線新宿~大宮間は工事実施計画の認可が申請されていないが、戸田市本町から大宮駅までは東北新幹線に並行(西側に併設か、あるいは路盤の重層化)するルートが考えられていたようである。また、両新幹線とは別に、武蔵野線の建設によって輸送量が減少することが見込まれていた東北貨物線を通勤線に転用する構想も1971年ごろから考えられていた。

しかし、東北新幹線の大宮以南のルートは軟弱地盤地帯であり、しかも1970年ごろは地盤沈下が最悪のペースで進んでいたことから、国鉄は地下トンネル方式としていた当初の方針を変更。1973年3月10日には、東北新幹線の赤羽駅付近~大宮間を全面的に高架で建設することとし、東北貨物線の転用によって整備するとしていた通勤線は東北新幹線の高架に並行して整備。逆に上越新幹線は東北貨物線の敷地を転用して整備するとした新計画を埼玉県に提示する。しかし、この新計画は新幹線の全面的な地下化を要望していた沿線の住民や自治体の反対運動をかえって強める結果となり、東北新幹線東京~大宮間の工事は大幅に遅れることとなる。このため、上越新幹線新宿~大宮間も計画に着手できない状態が続いた。

東北新幹線は工事が比較的順調に進んでいた大宮~盛岡間が1982年6月23日に先行開業し、工事が遅れた大宮以南は1985年3月14日に上野~大宮間、1991年6月20日に東京~上野間がそれぞれ開業。東北新幹線の赤羽付近から大宮駅まで並行して建設された通勤新線も、1985年9月30日に埼京線(線路名称上は東北本線の線増区間)として開業した。一方、上越新幹線新宿~大宮間は、この間の国鉄の経営悪化や分割民営化によって事実上の凍結状態となり、上越新幹線の建設用地として想定されていた東北貨物線も既設線の混雑緩和のため通勤列車が多数運転されるようになり、大宮側の建設用地の捻出が困難な状況となっている。

その後、北陸新幹線高崎~長野間の着工に伴って東京駅の容量不足が懸念されたことから、東日本旅客鉄道(JR東日本)は新宿~大宮間の建設や東京駅のホーム増設などを検討するが、最終的には建設費の問題から東京駅のホーム増設で対応している。

また、2004年12月の政府与党申し合わせで北海道新幹線新青森~新函館間の着工と北陸新幹線長野~金沢間のフル規格着工が決定すると、再び東京駅の容量不足が問題視されるようになり、2005年ごろから新宿~大宮間の約27kmに全面地下の新幹線を建設する構想が自由民主党の整備新幹線等鉄道基本問題調査会において浮上している。ただし、国土交通省やJR東日本は巨額な建設費の問題から消極的な姿勢を示している。

なお、新宿側の地下には上越新幹線のトンネルを通すための空間設定がすでに行われており、既設の地下施設も上越新幹線用の空間を避けて建設されたといわれている。

データ

線名上越新幹線
営業主体東日本旅客鉄道(JR東日本)
建設主体鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)
区間・駅東京都~大宮 ※詳細なルートは未定
距離※不明
軌間1435mm
動力交流2万5000V/50Hz
単線・複線複線
開業予定時期※未定
備考

進ちょく状況

1971年1月18日基本計画決定
1971年4月1日整備計画決定