相鉄いずみ野線の延伸

概要

いわゆる相鉄新線として計画された鉄道路線の一部で、二俣川~湘南台間を結ぶいずみ野線を平塚まで延伸するもの。

戦後の相模鉄道(相鉄)は、1960年代に入ると既設路線の輸送力増強に一定の目途がついたことから新線建設による地域開発へと主軸を移し、軌道系公共交通機関の空白地帯であった横浜市中西部地区の新線として二俣川町~杉田海岸間と二俣川町~原町田間の地方鉄道業免許を1958年1月31日に申請した。しかし、申請ルートの近くに米軍上瀬谷通信隊の施設があるため、電波障害の問題から免許が下りなかった。

そこで、相鉄は1967年2月16日にこの2区間の免許申請を取り下げるとともに、前年7月15日の都市交通審議会答申第9号で検討路線とされた6号線(茅ヶ崎~六合付近~二俣川付近~勝田付近~東京方面)とほぼ同じルートとなる二俣川~平塚間の地方鉄道業免許を申請する。この申請では沿線開発だけでなく、並行する東海道本線のバイパス機能も狙っていた。

免許申請時は二俣川~長後~香川~平塚間としていたが、横浜市が長後経由に反対したことから湘南台経由に変更し、1968年12月に免許された。その後、1976年4月8日に二俣川~いずみ野間がいずみ野線として開業。続いて1990年4月4日にいずみ野~いずみ中央間、1999年3月10日にいずみ中央~湘南台間が順次開業したが、この間に地価の高騰などによって建設事業が停滞するようになり、さらに東海道本線の輸送力増強が完成したことによってバイパス路線としての意義も薄れてしまったことから、残る湘南台~平塚間は実質的には凍結状態となっている。

現在は、湘南台から慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)を経由し、東海道新幹線新駅と新都市「ツインシティ」の整備が構想されている相模線倉見方面への延伸が地元自治体によって考えられており、2000年に策定された運輸政策審議会答申第18号でも湘南台~相模線方面が「今後整備について検討すべき路線」とされている。神奈川県では2004年度から研究会を立ち上げて延伸の検討を実施し、2007年5月に発表された検討のとりまとめでは、湘南台~ツインシティ間にLRTを整備する案のみ採算が取れるとしている。ただし、新幹線新駅やツインシティの整備の目途が立っていないため、いずみ野線延伸構想も具体化に向けての動きは見られない。

データ

事業者相鉄(相模鉄道)
線名いずみ野線
区間・駅湘南台~桐原~矢崎~行谷~香川~西久保~浜見平~平塚
距離14.5km
種別第1種鉄道事業
種類普通鉄道
軌間1067mm
動力電気(直流1500V)
単線・複線複線
開業予定時期※未定
備考

進ちょく状況

1967年2月16日地方鉄道業免許申請
1968年12月5日地方鉄道業免許
1987年4月1日※参考:第一種鉄道事業免許
2000年3月1日※参考:第一種鉄道事業許可
2009年7月23日※参考:法人分割認可申請(相模鉄道→相鉄準備会社)
2009年8月25日※参考:法人分割認可(相模鉄道→相鉄準備会社)
2009年9月16日※参考:法人分割(相模鉄道→相鉄準備会社)
2009年9月16日※参考:名称変更(相模鉄道→相鉄ホールディングス)
2009年9月16日※参考:名称変更(相鉄準備会社→相模鉄道)