歴代の西武特急が並ぶ
運営部(K)です。11月9日、西武秩父線の横瀬駅に隣接する横瀬車両基地(埼玉県横瀬町)の一般公開イベント「西武秩父線開通50周年記念 車両基地まつり in 横瀬」を取材しました。
車両基地の一般公開といえば、一番のポイントは車両の展示。今回のイベントでは、横瀬車両基地で保管されている初代西武特急5000系「レッドアロー」と、2代目西武特急10000系「ニューレッドアロー(NRA)」、そして新型特急001系「ラビュー」が並んで展示されました。3代にわたる西武特急が並んで展示されたのは、これが初めてとのことです。
なお、5000系は先頭車1両(クハ5503)だけの展示(というより、横瀬で保管されている5000系はクハ5503の1両だけ)でしたが、その後ろにディーゼル機関車のD15形1両(D16)が連結されていました。D16は動ける状態で横瀬で保管されており、クハ5503を展示場所に移動させるのに使ったのでしょう。
これだけではありません。横瀬ではクハ5503とD16のほかにも西武の昔の車両が多数保管されていて、それらも展示されていました。個人的にとくにうれしい展示だったのが、電気機関車E71形のE71(元国鉄ED10形のED10 2)と、黒一色の車掌室付きの有がい車ワフ101形のワフ105です。
デッキ付き茶色の国鉄電気機関車EF15形と黒塗り車掌室付き有がい車ワフ35000形が多数走っていた上越線の沿線で生まれ育ったので、同じようなスタイルのE71とワフ105に懐かしさを覚えるわけです。ちなみに、西武時代のE71は車体の色が赤茶色だったのですが、2001年に国鉄時代の姿を復元しています。
ところで、私は2001年10月の一般公開イベントで横瀬を訪ねているのですが、そのときとどうも車両基地の景色が違うので、当時の記憶を思い起こしてみると……屋根付きの車庫がないではありませんか。聞けば災害で車庫が損壊してしまったとのこと。
それ以降、保存車両はビニールシートをかぶせて保管しているようですが、車体が痛みなどを考えると、できれば車庫を新築してほしいですね。
ちょうちんがぶら下がった車内
今回のイベントでは「ちちぶ車両基地酒場 2019 in 横瀬」も同時開催されています。車両基地の敷地内に秩父の特産品やお酒などを販売する屋台を多数設け、近くに通勤電車の9000系を留置して車内を開放。そこで飲食できるようにしていました。
車内の天井にはちょうちんがぶら下がっていて、「酒場」の雰囲気を醸し出しています。関西の京阪電気鉄道も、中之島線の中之島駅を「酒場」に見立て、留置した車内で飲食できるイベントを行っていますが、これとよく似ていますね。
横瀬車両基地の一般公開は毎年秋に行われていますが、2018年は南入曽車両基地の一般公開イベント(通常は毎年夏に開催)が猛暑対策として秋の開催に変更され、横瀬車両基地の一般公開イベントは中止されました。その代わり、秋には横瀬車両基地を「酒場」として開放するイベントが行われたのですが、これが好評だったことから、今年は一般公開イベントと酒場イベントを同時開催することになったのです。
車内で食事していた所沢在住の30代男性は「あちこちの車両基地の一般公開イベントに行ってますが、今回は『酒場』というパワーワードに引かれて来ました。ちょうちんがぶら下がった車内でお酒が飲めるなんてすばらしい。初代レッドアロー(5000系)も見られるし、最高ですね」と上機嫌でした。
私も取材の終了後、猪串焼きやカレーパンなどを購入し、9000系の車内で食べてみました。通勤電車の車内で飲食なんて、普段はできないこと、いけないことをやっている背徳感を覚えて、なかなかいいですね(笑)。また機会があれば、今度はプライベートでこういったイベントに参加できればと思いました。
えっ、秩父のお酒は飲まなかったのかって? まあ、もともとお酒はおつきあい程度にしか飲まないということもあるのですが、報道関係者が酔って暴れたなんてことになったら大変なことになるので(笑)。